夢見るコアラの日常

日本の政治と経済について勉強中。色々考察していく

政府は飲食店を悪者にしているのか?

緊急事態宣言の内容

ご存じの通り、4月の時とは大きく異なる。この表が非常に分かりやすい。


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特徴はとにかく飲食業中心であること。4月とは違い、学校の休校や各種イベント中止までは要請されない。

この件について「なぜ飲食店だけを悪者にするのか?」とか、「飲食店だけ対応して感染を抑えられるのか」といった声が多発している。正直今更言うのかよという気持ちで溢れているが、少し考えてみたい。

 

飲食店が感染拡大の根元

 


【ノーカット】年末年始 感染対策の徹底を... 西村大臣・尾身会長会見

 

飲食業中心に感染拡大が発生していると分析しているのがコロナ分科会の尾身先生。12/21に開かれた会見内容ではデータを踏まえて飲食業に集中して対策をすべきと解説していた。

明確なエビデンスはなく仮説であることを強調していたが、個人的にはこの分析結果はある程度信用できると考えている。理由は二つ。

1つは日本のマスクの普及率が非常に高いこと。夏頃は暑さのため外でマスクを外している人が多数見つかったが、ここ最近は外出時にマスクしてない人は殆ど見ない。やはり感染はマスクを外さないといけない場所で拡大していると考えるのが妥当だ。

2つ目は札幌の例。11月に起きた北海道の感染拡大は繁華街への時短営業要請にてある程度抑えることができたことを考えると、すすきのから感染が拡がったと見て間違いない。

以上を理由に、自分は尾身先生の分析結果は妥当で、感染拡大の根元を捕まえるという意味でも、緊急事態宣言で飲食業に絞った対策を取るのは正しい方向性だと思う。飲食店を営業している方々からしたら「なぜ飲食店だけ?」と思うかもしれないが、気の毒だがこればかりはコロナを恨むしかない。


家庭内感染への対策は難しい
www.asahi.com

 

ちなみに政府の方針を否定する声の多くが「感染経路として最も多いのは家庭内感染だから何とかしろ」という反論が出ている。が、そういう人は、家庭内感染が最も感染経路を辿りやすいということと、家庭内感染の政府介入が難しいことを無視しがちだ。

1つ目の点については特に説明することはないと思う。最も追いやすい感染ルートだから家庭内感染が最も多くなるのは当然。問題なのは感染経路不明者の方であり、これも尾身先生からは感染者の傾向から、飲食店での感染拡大が多いと結論づけている。

2つ目の点について、政府が介入して家庭内感染を防ぐ方法が本当にあるのか疑わしい。反論する人は検査拡充のアイデアしかない様に見える。発症前・検査で陽性反応が出る前から他の人へ感染させる恐れがある以上、検査を増やして感染を防ぐことは不可能に近い。結局、個々の防止に委ねざるをえない。


時短営業だけでは不十分

上述した通り飲食店での感染を抑えられれば感染拡大は防げるはず。しかし今のような時短営業で事足りるとは思っていない。

そもそも時短営業は酔った人がたくさん出てきて感染対策が疎かになってくる時間を無くすことが目的。夜の方が大人数で飲むためリスクは高い。しかし当然ながら大人数での会食が行われるのは夜だけじゃく、ランチだって感染リスクは高い。時短営業だけでは飲食店でのリスクを無くしきることは難しいだろう。

そういった意味で、国は緊急事態宣言の発令に踏み切ったのだと考えている。単なる時短営業ではなく、緊急事態宣言という言葉を発することで、個々の意識の強化、テレワークを強く推進する。特にテレワーク推進は大人数での会食機会を失う効果的な方法となる。時短営業という政府の施策に加え、緊急事態宣言下であるという事を意識した上で、国民一人一人がどう行動を変えていくのか。上手く行けば1ヶ月後に緊急事態宣言が解除されることも可能だ。


最後に

誤解されがちだが、政府は決して飲食店だけを悪者扱いしている訳ではない。逆に制限する箇所を絞ることで、より手厚い援助・補償を模索しているし、GoTo Eatのようなキャンペーンにより再度飲食業が活性化するよう対策してくるはず。大変な時期だと思うが、今は支援を最大限に活用して耐えて欲しい。我々も少人数での飲食やテイクアウトをフル活用し、少しでも助けとなるよう行動していきたい。

しかしマスコミや野党は今更飲食店中心の感染対策を否定し始めているが、12/21の会見について見事にスルー。尾身先生の分析結果に対するロジカルな反論もせず「分からない」「データがない」の一点張り。やれやれです。。┐(-。-;)┌