夢見るコアラの日常

日本の政治と経済について勉強中。色々考察していく

【森会長の女性蔑視発言考察】本当の問題と行き過ぎた批判について

 

 

始めに

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JOC臨時評議員会から1週間、森会長の発言に関する騒動が留まることを知らない。

 「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」との発言が女性蔑視・女性差別と捉えられ大炎上。謝罪会見を行うも逆ギレ会見と揶揄され、野党は国会で猛抗議。あらゆる場所で森会長の辞任を要求するデモが行われ、この発言が引き金となってボランティア辞退者が出ているとの声もある。

正直、森会長の発言は失言であったと認めざるを得ない。

しかしそれでも私は断言する。

 森会長は決して女性差別の思想を持った人ではない、ということを。

 今回はこの発言の何が問題であったのか、考察していこうと思う。

 

 発言全文を見て初めて感じる”報道とのギャップ”

 そもそもこの発言で騒いでいる大勢の人が森会長の発言の全文を見ていない。メディアが報道したごく僅かの発言だけで批判を続けている。

まず改めて、森会長の女性理事に関する発言の全文を見ていきたい。

これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍時間がかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。

 

 女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。

 

 私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。

メディアは発言の中の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」の部分や「女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困る」という部分だけを切り取り報道しがちだ。

だが、この発言の主旨を考えると、報道とのギャップに気づくはず。

最後の段落、森会長はJOC女性理事達を「お話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っています」と述べ、「欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。」と結んでいる。

即ち森会長は「優秀な女性を積極的に採用していきたい」という、女性蔑視とは真逆の考えを主張している。ここが森会長の最も伝えたかった点である事に間違いない。

この部分を見ると、森会長が女性蔑視の思想の持ち主である、という批判がいかに的外れであるかが理解できるはずだ。

 

全文を読んでも”女性蔑視だ!”と騒ぐ人が持つ3つの勘違い

この騒動が発覚した後、私はTwitter上で発言全文を共有し、森会長の発言は女性蔑視から来るものではないと主張した。しかし、全文を見てもなお、「これは差別発言だ!」と突っかかって来る人は大勢いた。

彼らと話しているうちに、大きく3つの勘違いをしていることに気づいたので指摘していく。

 

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」が差別発言であるという勘違い

まず大前提として、女性差別ジェンダーバイアスとは、男女の役割や立場に対して固定概念を持ち、女性を冷遇することを意味する。

例えば女性議員が少ない今の状況や、女性が家事をやるべきだという考えはジェンダーバイアスが働いている状況であり、女性差別発言であることは間違いない。

その上で森会長の「女性は優秀で競争意識が高いから話が長くなる」という発言は、単に森会長が考える女性の特徴を述べているだけに過ぎない。

例えばこの後に「女性は優秀で競争意識が高いから話が長くなるから、女性を採用したくない」と続くのであれば、これは立派な女性蔑視発言だが、少なくともこの言動だけでは女性に対する蔑視感情は見えない。

 

 「発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困る」が森会長の発言である、という勘違い

この発言は立派な女性蔑視発言と認定できる。しかし、森会長の発言全文を読めばわかるが、これは他人の言葉であり、最後の段落を見れば森会長の思想とは反する発言であることが分かる。

 

「わきまえる」が「身の程を知れ」という意味だという勘違い

厚切りジェイソンさんが「わきまえるとは身の程を知れという意味だ!」とコメントしていたが、もう少し日本語を学んでから発言して欲しかったなととても残念に思っている。

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“わきまえる”というのは広義的に見て「物事を分別する」という意味であり、英語にはない言葉だ。頑張って訳そうとしても恐らく”know”としか出てこないはずだ。

ではこの言葉をどう使うか、大きく二つの使い方があると考えている。

一つ目は「物を行うにあたって丁度良く収めること」、

二つ目は「自分の程度を知る」という意味。

多くの人が「わきまえる」という言葉だけを見て「自分の程度を知る」と訳しまっているように見えるが、この後に述べられる「お話もきちんとした的を得た」という所を読む限り、ここでは前者の「物を行うにあたって丁度良く収めること」という意味で「わきまえる」という言葉が使用されたと考えるのが妥当だ。

言葉の意味を理解せず”#わきまえない女”というタグで抗議する姿は非常に滑稽だった。

 

結局何が問題だったのか?

私が森会長の発言が失言であったと思っている理由、それはユーモアを交えようとして必要のないことを喋ってしまった事だ。「発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困る」という発言は、言うならば「誰だったか忘れたけど、あなたのことこんな風に悪口言っている人がいたよ」と公言しているようなもの。例え他人の発言であったとしても気分を害するのは当然と言える。

また「話が長い」とった固定概念含め、誤解を招く表現、即ちそういった差別を匂わせる表現があったことは確かだと思っている。こういった発言の誤解とは話す側と受け取る側の両側の問題だと認識しているが、少なくとも森会長の発言にも責任がある。 

しかしいずれにせよ、これはあくまで”失言”として処理される問題であり、森会長の謝罪と発言の撤回で解決する問題となるのが普通である。しかし、それでも尚、森会長を女性差別しそうの持ち主と信じて疑わない人達が騒ぎを大きくし、一向にこの騒動は収まる気配を見せない。非常に異常な光景となってしまった。

ちなみに彼の謝罪会見の様子から「反省していない」「何様だ」という怒りの声も多く聞こえてくるが、そもそもあの会見は記者の質問/態度に大きな問題があったと見ている。「差別の意図はなかった」と何度も説明しているにもかかわらず、女性差別をしている前提で何度も質問が来ればさすがに怒るだろう、と。逆ギレ時の様子より、最初に頭を下げた姿の方が重要なことは言うまでもない。

 

批判すべきは”失言”であり、”森会長自身”ではない

この騒動に対して森会長の発言に問題があったとコメントする人は物事の本質がよく見えている人だと思う。菅総理や五輪関係者は一貫してそういう姿勢を取っているし、昨日IOCから出された声明も森会長の発言を批判する物であった。決して掌返しではないと考えている。

一方、森会長の発言を勝手に解釈し、「森会長は女性差別思想の持ち主だ!」とか、「森会長は女性を排除しようとしている!」と騒ぐマスコミ、野党、フェミニズム主義者は、森会長を踏み台に何かしらのパフォーマンスを行いたいだけという風にしか私には見えない。しかも「何も発信しない人も差別主義者だ」という勝手な言い分を撒き散らし、次々と批判勢力を高めようとしている。同調圧力に屈するアスリートや五輪スポンサーも大いに問題があると思う。政治家を辞めてもなお無報酬で五輪の為に奔走する森会長を、1つの失言きっかけに集団リンチ紛いの追及を行う日本社会の構図に絶望すら感じる。

 

私としては。失言は失言として受け止めながらも、これまでの功績を称え、一貫してこう主張していきたい。

#森喜郎氏を支持します

#森会長を応援します

と。

8割おじさんのGoToトラベル論文に反論してみた

 

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京大グループのGoToトラベル論文が話題に

www3.nhk.or.jp

京大グループからGoToトラベルが感染者増加に影響したという論文が報じられた。

著者は8割おじさんで有名な西浦教授。

 

早速話題となり、既にGoToトラブル再開に反対するメディアや野党が一部情報だけを切り取り利用しているが、中身を読んでみたところ、どうも引っ掛かる点が多く、はっきり言って論文の質は非常に低いと評価せざるを得ない

いくつか解説していこうと思う。

 

調査対象期間が全国の新規感染数ピーク時と一致する

今回、この論文ではGoToトラベル開始前と開始直後の2つの期間において、都道府県が公表している感染者状況の中から、旅行に行って感染したと見られる人数をカウントし、その比率を計算している。

記事でに記載されている3倍とは、GoTo開始前の7/15-7/19の5日間(Period.1b)に旅行して感染したとみられる人数:13人と、GoTo開始直後の7/22-7/26の5日間(Period.2)中に旅行して感染したとみられる人数:34人から、34/13 = 2.62倍と計算して導出されている。

ちなみに感染時期は(1) 発症日から5日間差し引く、(2) PCR検査陽性発覚日から10日差し引く、として計算されている。上記2.6倍は(1)の想定による物で、(2)の想定では比率は1.74倍(= 33/19)となっている。

 

調査方法自体に問題はあるが、それは本論文の最後に語られているので後述する。

問題はこの数値が表す意味だ。果たして本当にGoToトラベルが影響して感染者が増えたと断定できるのか?

 

答えはNOだ。

本論文が無視していること、それは全国の感染者数の増減傾向である

 

下のグラフを見て欲しい。

 

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グラフは厚生労働省のホームページから入手した日毎の新規陽性者数から、論文と同じく10日間差し引いて想定感染日を横軸に直しプロットした物である。

オレンジの線グラフは5日間の移動平均を表している。

 

グラフを見てわかる通り、GoToトラベル開始直後のPeriod.2は全国の感染者数がピーク近くとなっている時期である。

つまり旅行がどうとかGoToトラベル開始とかは関係なく、調査対象期間は全国で感染者数が増加していた時期なのだ。

 

この全国の新規陽性者数を基に論文と同じ方法で比率を計算してみたところ、期間1bから期間2への増加比率は1.44倍 (=6380/4419)となった。

これは上述した論文内で検査発覚日から算出された数値:1.74倍と大差はない。

 

この全国陽性者数は論文内ではカウントされていない東京や大阪も含まれるので同じ条件とは言えないが、全国的に似たような傾向だったことは間違いない。

こういった全体の感染者増加傾向を考慮せず、旅行者だけを取り上げ数値化し比較しても、GoToトラベルの影響があったかどうかは断言できないはずだ。

 

調査時期がかなり限定的

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本論文ではPeriod.3 (8/6-8/31)の期間の結果も載せており、図を見る限りGoTo開始前より旅行による感染者の比率は減っているように見える。

実際、GoTo開始前1ヶ月(Period1a,1b)の全国の新規陽性者数はこちらの期間の方が近いのだから、ここを比較した方がGoToトラベルの影響を評価するのに最適なはずだ。

 

しかし本論文では、3章以降、この期間に関する考察は殆どされていない。

あったのは4章最初の段落にある「Although the second epidemic wave in Japan had
begun to decline by mid-August, the number of travel-associated cases increased during
the Go To Travel campaign.(日本の第二次流行の波は8月中旬には減少に転じていたが、「Go To Travel」キャンペーン中に旅行関連の症例が増加した。)」という一文のみ。しかし、これを裏付けるための数値根拠はどこにも記載されていない。

 

またGoToトラベルは9月以降も続いているが、これに関しては全く言及されてない

9月~10月は比較的感染が落ち着いていた時期で旅行者数も増加していたはずなので、本来ならこの時期がGoToトラベルと感染増加の関係を分析するのに最適な期間のはずだ

 

先程も話した通り、GoTo開始直後という第2波ピーク時に近い時期で比較した数値結果だけを見て結論を出している。分析が十分とは到底言えない。

 

調査に限界がある

本論文では最終章で調査限界について説明しており、まだGoToトラベルが感染拡大させたという事実を示していないということも述べている。ここでいう調査限界とは下記の四つのことを述べている。

  1. 都道府県によって報告内容が異なる
  2. 正確な感染日を特定できていない
  3. 間接的な影響(例えば、渡航制限の緩和による接触の強化など)を調査できていない
  4. 局所的なクラスターの増加など、感染拡大に繋がったことを示す調査ができていない

これらは全て正しいと思うし、GoToトラベルと感染拡大の因果関係を調査するなら、特に3つ目の他要因の分析と4つ目のクラスター数の分析は必須となるはず。

 

では、何故著者はこの結果で論文を公表したのか?

いったい何を主張したかったのか?

論文を読んでもピンと来ない。

 

見えるのは「GoTo直後に旅行によって感染したと人が増加した」という結果だけで、この分析だけではGoToトラベルが感染拡大させたという根拠を示していない。

しかし、本論文はあたかもGoToトラベルが悪であるかのよう主張している。

そこまで主張したいのなら、もう少し踏み込んだ調査をしてから公表すべきなのに。

 

主張が「客観的」ではなく「主観的」

最後の章のここの部分が、本論文の異常さを際だたせている。

Although the policy decision to conduct the Go To Travel campaign was made on the basis of decreased epidemic activity and the expected positive impact of the campaign on socioeconomic activities, it is natural that enhancing human mobility across wider geographic areas would facilitate additional contact and thus increase the spatiotemporal spread of disease [20,21]. When the state of emergency was lifted in Japan around the middle of May (i.e., 21 May for Osaka and 25 May for Tokyo), the original plan was for the reduction in travel restrictions to begin in August, and the campaign was originally intended to start during that month [22]. However, the campaign schedule was moved forward, even as cases were increasing in Tokyo and Osaka and the country was trying to regain control of the epidemic. Government policies have had to strike a balance between epidemic control and restoration of economic activities, and managing both was the justification for implementing the tourism campaign [23]. Thus, experts in infectious diseases and public health cooperated with the government, formulating guidelines for infection control in each sector and offering advice to maximally reduce infections via the use of precautionary behaviors (e.g., wearing masks, avoiding close contact in confined spaces, and hand hygiene). In fact, the campaign included guidance on preventive measures for both travelers and service providers [24]. Nevertheless, the present study findings indicated that these efforts were accompanied by increased travel-associated cases of COVID-19 infection.

 (和訳)Go To Travelキャンペーンの実施は、流行活動の減少と社会経済活動へのプラスの影響が期待されることから政策的に決定されたが、地理的に広い範囲での人の移動を促進することは、接触の増加を促進し、その結果、疾病の時空間的な広がりを増大させることになるのは当然である[20,21]。日本で非常事態が解除された5月中旬(大阪では5月21日、東京では5月25日)には、当初の計画では渡航制限の緩和は8月に開始される予定であり、キャンペーンは当初その月中に開始される予定であった[22]。しかし、東京と大阪で症例が増加し、国が流行のコントロールを取り戻そうとしていたにもかかわらず、キャンペーンのスケジュールは前倒しされた。政府の政策は、流行の抑制と経済活動の回復のバランスをとる必要があり、その両方を管理することが観光キャンペーンを実施する正当な理由であった[23]。そこで、感染症や公衆衛生の専門家が政府と協力して、各分野における感染対策のガイドラインを策定し、予防行動(マスク着用、狭い空間での接触回避、手指衛生など)を通じた感染を最大限に減らすためのアドバイスを行った。実際、このキャンペーンでは、旅行者とサービス提供者の双方に予防措置に関するガイダンスが含まれていた[24]。それにもかかわらず、今回の調査結果は、これらの努力が旅行に関連したCOVID-19感染症の症例の増加を伴っていることを示している。

 

「GoToトラベルと感染拡大の因果関係は示せていない」と言っておきながら、延々とGoToトラベルの批判をしている。

この段落はGoToトラベルにたいしネガティブな印象を強調するためだけに存在し、本論文の分析結果とは何も結び付かない。主観的な主張に過ぎず、全く客観的じゃない。

また、上述した1つ前にはこういった記述もある。

During the summer of 2020, a campaign called “Eat Out to Help Out” was conducted in the United Kingdom with the aim of supporting the food service industry [18]. That campaign was not intended to promote domestic travel, but it has been reported that the campaign may have affected local transmission in the United Kingdom [19].
(和訳) 2020年夏、イギリスでは外食産業の支援を目的とした「Eat Out to Help Out」というキャンペーンが実施された[18]。このキャンペーンは国内旅行を促進することを目的としたものではなかったが、イギリスでの現地発信に影響を与えた可能性があると報告されている[19]。

急に全く関係のないイギリスのGo To Eatを持ち出しいている。

旅行と飲食は全く異なるジャンルの行動であり、さらにイギリスと日本の感染意識(例えばマスクなど)が違うのだからそのまま比較することも難しい。

 

ただただGoTo事業へのネガティブな印象だけを主張したく、都合の良いようにデータを分析して結論を出したようにしか見えない。

まとめ

結論として、本論文は

  • 調査時期がおかしい
  • 分析結果がおかしい
  • 主張がおかしい

という印象しか受けない。

 

西浦教授なら、この論文の完成度で今公表することの意味を当然理解しているはず。
この完成度でもマスコミや野党が表面だけ取り扱ってもらえばGoToトラベルに対するネガティブな印象は強まる。結果、GoToトラベル再開が阻止されてもおかしくはない。

 

私も1人の科学者として、こういった完成度の低い論文を政治利用の為に公表することに強い憤りを感じている。

 

京都大学グループの「GoToトラベル論文」 "4.Discussion" 和訳

例の京大グループ/GoToトラベル論文の"4.Discussion"に記載されているパートをDeepLを使って和訳してみた。ここを読めば大体この研究の主張や限界が分かるはず。

考察に関しては後でまとめるとして、一旦共有します。

 

www3.nhk.or.jp

本研究では、Go To Travelキャンペーンの前および期間中に旅行に関連したCOVID-19感染症例の情報を含むサーベイランスデータセットを分析し、旅行に関連した症例の発生率と観光目的の旅行者の発生率を比較した。キャンペーン期間中の旅行関連症例の発生率は、対照期間1a(6月22日~7月21日)の約3倍、対照期間1b(7月15日~19日)の約1.5倍であった。特筆すべきは、観光関連の発生率が対照期間1aの約8倍、対照期間1bの約2~3倍であったことである。日本の第二次流行の波は8月中旬には減少に転じていたが、「Go To Travel」キャンペーン中に旅行関連の症例が増加した。我々の知る限りでは、本研究は、Go To Travelキャンペーン期間中に県境を越えた旅行関連COVID-19症例数が増加したことを示した初めての研究である。対照期間1aと1b、および発症日とCOVID-19確認日が判明している両方のデータセットについて、IRRが明らかに1を超えることを示した。特に、本研究の結果から、旅行関連症例はキャンペーン期間中に観光関連症例の割合と発生率が著しく増加していることが明らかになった。このことから,国内観光の充実が,少なくともGo To Travelキャンペーンの初期である第2期において,COVID-19の旅行関連症例の増加に寄与している可能性が考えられる。

今回の記述的分析では、観光キャンペーンとCOVID-19発症との因果関係を明確にするには、あまりにも単純な分析であった。特に、「Go To Travel」キャンペーンは4日間の休暇期間中に開始されたことを認識しなければならない。このように、全国への旅行者数の増加は、キャンペーンだけに起因するものではない。もう一つの問題は、今回の分析には含まれていない東京や大阪など、調査期間中に都市部の都道府県で流行の重症度が上昇していたことである[14,15]。対象となった24都道府県における潜在的な傾向に対処し、因果関係をさらに明らかにするために、我々は、時系列データを用いた疑似実験的研究デザインを用いて、差分研究や中断時系列分析を含む一連の調査を実施している[16]。その間に政策ワーキングペーパーが発表され、キャンペーンは感染拡大を激化させることなくホテルの宿泊客数を増加させたことを示唆している[17]。また、2020年10月1日から開始されたGo To Travelキャンペーンの別のラウンドのデータを分析する。本研究は、発生率データの記述的分析を含めた迅速な報告であり、観光キャンペーンが伝染病の動態に及ぼす潜在的な影響についてのさらなる洞察を提供することを目的としている。2020年夏、イギリスでは外食産業の支援を目的とした「Eat Out to Help Out」というキャンペーンが実施された[18]。このキャンペーンは国内旅行を促進することを目的としたものではなかったが、イギリスでの現地発信に影響を与えた可能性があると報告されている[19]。

Go To Travelキャンペーンの実施は、流行活動の減少と社会経済活動へのプラスの影響が期待されることから政策的に決定されたが、地理的に広い範囲での人の移動を促進することは、接触の増加を促進し、その結果、疾病の時空間的な広がりを増大させることになるのは当然である[20,21]。日本で非常事態が解除された5月中旬(大阪では5月21日、東京では5月25日)には、当初の計画では渡航制限の緩和は8月に開始される予定であり、キャンペーンは当初その月中に開始される予定であった[22]。しかし、東京と大阪で症例が増加し、国が流行のコントロールを取り戻そうとしていたにもかかわらず、キャンペーンのスケジュールは前倒しされた。政府の政策は、流行の抑制と経済活動の回復のバランスをとる必要があり、その両方を管理することが観光キャンペーンを実施する正当な理由であった[23]。そこで、感染症や公衆衛生の専門家が政府と協力して、各分野における感染対策のガイドラインを策定し、予防行動(マスク着用、狭い空間での接触回避、手指衛生など)を通じた感染を最大限に減らすためのアドバイスを行った。実際、このキャンペーンでは、旅行者とサービス提供者の双方に予防措置に関するガイダンスが含まれていた[24]。それにもかかわらず、今回の調査結果は、これらの努力が旅行に関連したCOVID-19感染症の症例の増加を伴っていることを示している。

この研究には4つの制限があることを認識しておくべきである。第一に、我々のデータセットには、都道府県によって異なる可能性のある報告バイアスが含まれている。国は診断症例に関する情報公開についての基本方針を発表しているが[25]、情報公開の程度は都道府県によって大きく異なっている。例えば 東京都は旅行などの詳細情報を公開していない 症例ごとに履歴を確認する必要がある[26]。また、流行の規模は都道府県によって異なり(例えば、症例数の多い都市部の方が症例数の少ない遠隔地の都道府県よりも渡航関連症例の特定が困難である)、都市部よりも地方の方が症例報告数が多い傾向がある。第二に、サーベイランスデータは逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応を用いて確認されたCOVID-19感染例に依存しており、これらのデータは確認バイアスを含んでいる[27]。若年者は高齢者に比べて移動が多く、若年者の感染の重症度が高齢者に比べて限定的であることを考えると、旅行の絶対リスクは過小評価されている可能性がある。第三に、観光キャンペーンの直接的な影響に加えて、間接的な影響(例えば、渡航制限の緩和による接触の強化など)をさらに調査すべきである。第四に、観光キャンペーンの疫学的影響はまだ十分に定量化されていない。例えば、旅行による局所的なクラスターの増加を検討する必要があり、また、遠隔地の県での流行波の発生は、キャンペーンの疫学的成果を示す可能性がある。

今後の課題は多く残されているが,本研究は,日本におけるCOVID-19の感染動態に対するGo To Travelキャンペーンの疫学的影響についての重要な知見を提供していると考えられる.伝染病対策と経済活動の回復を両立させる政策手段を特定するためには、追加のエビデンスが決定的に必要である。

 

 

東京五輪 各者コメントまとめ(メモ用)

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1/24追加。赤字箇所

IOC

バッハ会長

IOCメンバー全員は6カ月後の五輪をトンネルの先の光とする決意です」 [1]

「全ての参加者にとって安全なものにすることが最優先事項。(感染)状況への対処で必要な手段を、適切な時期に決める。それは観客の問題にも及ぶ。何人か、観客は入れられるのか」 [2] 

無観客開催については「安全が最優先という点でタブーはない」 [2] 

チケット販売の観点から観客数の最終判断は「3、4月が非常に重要になる。6、7月まで待てない」 [2] 

21、22日に意見交換したIOC各委員や206カ国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)から今夏開催への異論は出なかったと説明。「全ての見通しは良好。7~8月に直面する可能性がある全てのシナリオを想定して準備を進めている」と強調し、検疫や検査方法、ワクチン接種なども検討課題に挙げた。 [2] 

世界陸連 セバスチャン・コー

「安全な環境の中で大会を開催する確固たる意志がある」 [3]

「騒がしくて情熱的な観客に参加してほしいが、開催できる唯一の方法が無観客ならば、全員それを受け入れるだろう」 [4]

東京で開催するために2024年のパリ大会と2028年のロサンゼルス大会を延期するのは「現実的な解決策ではない」 [4]

「大変な事態には違いない。それを否定するのは、現実を見ていない」 [4]

昨年と現在では大きな違いが2つある。ひとつはワクチンで、向こう数カ月で劇的に接種が広がるだろう。そして、開催にはまだ半年ある」 [4]

「加えて陸上競技について言えば、選手は今でも練習施設にアクセスできるし、競技大会も続いている」 [4]

「外野であれこれ騒ぐのは(中略)選手のためにはならない」「選手は大会に向けて集中する必要がある。IOCも日本政府も開催すると言い続けている。問題はただ、どうやってやるかだ」 [4]

日本 当事者

東京五輪 橋本大臣

「政府の方針とは全く異なるものでありますので、IOC国際オリンピック委員会)、そして大会組織委員会、東京都及び政府と致しまして、この夏の開催はすでに決定をしております」(坂井官房副長官が会見で、東京大会の開催について「政府として開催判断することがある」と発言したことに対し) [5]

組織委員会 広報局 観客の経験課 櫻井優子係長

 「コロナ禍でいろんな思いがあって、私たちでさえいろいろ迷いが出るなかで、でもひたむきに頑張っているアスリートたちのためにも、日本でできてよかったっていう、コロナ禍を経て、感動したっていう思いを世界に発信してもらえるような大会になっていくといいなと」 [6]

WHO

緊急対応責任者 マイク・ライアン

「私たちは開催するかどうかの判断に貢献することはなく、技術的なアドバイスを提供している」「開催するかどうかの決断をWHOが調停することはない」「科学は政治にアドバイスできるが、政府が政策をつくる」「適切な判断がなされるだろう」 [7]

「五輪開催への希望があるなかで、今は人々が少し怖いようにも見える。東京では緊急事態宣言が続いていて人々の懸念は十分に分かるし、象徴的な大会を開きたい政府の気持ちも十分に分かる。日本政府は難しい立場にいる」「日本政府は国民と相談しながら、適切な時期に適切な結論を出すだろう」 [8]

日本 アスリート

体操 内村航平

「僕としては残念だなと思うことは、コロナの感染が拡大し、国民の皆さんが五輪ができないんじゃないかという思いが80%を超えていると。しょうがないとは思うけど、できないじゃなく、どうやったらできるかをみなさんで考えて、そういう方向に変えてほしい。非常に大変なことであるのは承知の上で言っているのですが、国民のみなさんとアスリートが同じ気持ちでないと大会はできない。なんとかできるやり方は必ずある。どうかできないとは思わないでほしい」(20年11月の国際大会にて) [9]

「もしこの状況で五輪がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それくらい喪失感が大きい。それだけ命かけてこの舞台に出るために僕だけじゃなく東京オリンピックを目指すアスリートはやってきている」 [10]

陸上 大迫傑

「ランニングは密を避けて、1人でもできる。オリンピックがあるかどうか、に左右されるのではなく、まずは自分にできることをしっかりやっていこうと捉え、トレーニングをしていく」 [9]

ソフトボール 上野由岐子

「今は世界中がコロナと闘っている。勇気付ける意味でもオリンピックの開催は大きな意味があると思う。開催されて欲しい」 [9]

バレーボール 荒木絵里香

「(開催を巡る)ニュースや記事が気にならないと言ったらうそになる。でも選手としてやることは変わらない。どんな状況でもぶれず、1日1日を着実に過ごしたい。いいエネルギーをバレーボール界だけでなく、社会にも発信できるように」(1月22日の姫路戦後) [9]

卓球 石川佳純

「選手としては開催してほしい。五輪の舞台で戦いたい。全てを懸けてきたので『開催しなかったらしょうがない』とは声を大にしては言えない」(昨年末のインタビューにて) [9]

陸上 新谷仁美

「アスリートは応援されなければ生きていけない職業。国民の皆様が東京五輪をやりたくないのであれば、開催される意味がなくなってしまう。アスリートだけがやりたいと言うのは違う。やはり皆様が同じ気持ちになり、開催してほしい」 [9]

7人制ラグビー女子日本代表候補 黒木理帆

「開催されるか分からないけど、あると信じてやるしかない。できることは練習だけ」 [11]

競泳 大橋悠依

「今は五輪という言葉を出すのも難しいくらい、世界の状況が大変。アスリートとして一つの目指す場所なので、自分もすごく思いは強いが、あまり思い込み過ぎず余裕を持ってできている。焦らず必要なことを着実にやれれば」 [12]

他国 政治家

サキ米大統領報道官

「まだバイデン大統領や国家安全保障チームと協議していない」 [13]

台湾 蔡英文総統

「きょうで開催まで半年となった。日本が団結によってこの試練を乗り越え、半世紀ぶりの東京五輪を再び実現するよう祝福する」 [14]

他国 スポーツ団体

北京冬季五輪組織委 医療衛生の担当者

「IOCを通じて東京の組織委員会とともに、防疫対策について話し合っています。東京オリンピックもうまく開催できることを期待している」 [15]

オーストラリア・オリンピック委員会(AOC

「計画を続行する」 [16]

 「アスリートたちに(ワクチン)接種リストの優先順はない。接種順番を飛ばすといった類のことも試みない。たとえアスリートが接種を受けなくても、われわれとしては問題ない。ワクチンは“銀の弾丸”ではない。『ワクチンを接種されたから安全だ』と思う人は、愚かだ」 [17]

「アスリートたちは集団ではなく、時間差を設定した上で競技の4、5日前に日本入りし、競技参加から48時間以内に離日する。行動範囲は選手村、トレーニング施設と競技会場。それだけだ。文化交流の機会が持てるノーマルな大会にはならない」 [17]

カナダ・オリンピック委員会(COC)のシューメーカーCEO

「カナダ五輪委は大会の安全な開催が可能と自信を持っている。東京大会に参加する準備を進めていく」 [16]

米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)

「五輪が計画通りに開催されないことを示す、いかなる情報にも接していない」 [16]

「(接種を待つ)列の割り込みはしない」「開幕までに接種が受けられるのは、世界的に見ても一部だろう。東京五輪は『ワクチンなしの大会』と考えないといけない」 [18]

オーストラリア水泳連盟

「最悪の事態が起きて東京五輪が中止されたら、長い間、懸命に準備してきた選手に成果を確認する機会を与えるべきだと思う」 [19]

その他

山口二郎法政大学教授

「オリンピックをめぐる政策決定は戦争中の日本と重なるという話は何度も書いた。この報道管制も、まさに戦時中の繰り返し。コロナ危機の時代に東京オリンピックが重なるのは誰のせいでもない。政治家が撤退を表明することは不名誉ではなく、英明な判断として称賛されるべき」 [20]

青木理

「無観客だったらその分の入場料収入がなくなるので、追加費用がどうなるのかというデータを示した上でどういう形だったらできるのか、あるいは無理なのかというあたりをそろそろ決めなくちゃいけない。なのに見ていると五輪を政権の支持率がどんどん下がっている中で、政権の明るい浮揚策のうちのひとつだと捉えている。秋までに総選挙やらなくちゃいけないので。五輪やって総選挙なんていう計算も政権の中にはあるような感じなんですね」「そうなってくるとある意味、五輪の政治利用みたいなことになるわけですから、五輪が本当にアスリートのため世界中の人のためだったら開催国として、いいかげん、情報をきちんと出して、どんな形だったらできるんでしょうかと模索するか、あるいはできないんだったら早めに断念することを決めるっていう重要な局面に入ってきている気がします」 [21]

吉村洋文府知事

「僕自身は五輪を応援してますし、東京五輪もぜひやってもらいたいと思っています。中止というのだけは何とか避けてもらいたいというのが本音です」「そう考えた時に今の現状でどこまできるのか、中止になるぐらいだったら2024年に延期するというふうに方向性を変えて、2024年の五輪、2025年の万博に日本の大きな方向性をもっていくことがひとつの考え方なんじゃないかなと思っています」 [22]

カンニング竹山

「正直言うと中止したほうがいい」「アスリートの皆さんには申し訳ないけれど、(今年は)どうしてもできない。菅(義偉)さんは『コロナに打ち勝ったオリンピック』と言っているが、打ち勝ってないですよ」「お金はやってもかかる、やらなくてもかかるでしょう?だったらこの分の予算をコロナの補償とかに。困っている人がめちゃくちゃいる。32年はこの記事が出る前から言われていた。ロスの後は(開催地が)決まってないから。やらせてもらえるならね」 [23]

舛添要一

「世界中から人が来なければいけない、アメリカもヨーロッパもひどい。日本だけでやるわけにいかない」「世界の一流どころが来なくて、半分しか来ないでやって、本当に世界一だろうか?というのもある。難しい」「IOCは国際社会の動きを見ている。そうすると、国際社会が『やるのはどうかな』と言った時に、押しきれないかもしれない」 [24]

詳細不明

英国高級紙デイリーテレグラフ

昨年11月にIOCのバッハ会長が来日したとき、「できる限り選手、コーチはワクチンを打ってほしい。費用はIOCが持つ」と発言。 [25]

英紙タイムズ

「組織委、IOC、日本政府は一貫して大会は順調に進んでいると宣言しています。しかし、舞台裏では希望はほとんどなくなっています」 [26]

???

「IOCは選手を対象にしたワクチン接種を迅速に進めることを優先課題とみている」 [27]

引用文献

  1. テレ朝news. IOC会長の決意「東京五輪をトンネルの先の光に」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/7e6f80c3d2d98a16ab79bf52c6092abb2c10bbb6.
  2. サンスポ. IOCバッハ会長、五輪無観客も選択肢 世界陸連会長も「受け入れる」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/6093864c7f09bfd949552f74d8539a533c062f78.
  3. 世陸会長 東京五輪「開催の確固たる意志」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/d65a19f969f9fc38138743818ac3316de3b43d00.
  4. NWESBBC. 東京五輪、「無観客開催の可能性も」 イギリスのIOC委員が発言. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/0e769570cab891613af6885ed81410cc215a82db.
  5. テレ朝news. 東京五輪 橋本大臣「政府の方針とは全く異なる」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/c3beac750bb057d58103b3beefc8b38287cc9378.
  6. NEWSTBS. 東京五輪開催へまず「機運醸成」を 開幕まであと半年. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/3a142dd1802955fe1190d52202f3ad4e6e57a809.
  7. —. WHO 東京五輪の開催可否について「決断を調停しない」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/b85b72ddb8d9e570f74ca8972716710d1ba40312.
  8. 朝日新聞. WHO、東京五輪の状況に理解示す「政府は難しい立場」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/5890ade757ca1a2f0bf2ce88aff32d9e04d789f2.
  9. 日刊スポーツ. 東京五輪あと半年…内村、大迫、石川佳純ら選手思い. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/686101a37e79e76829684b7cb68318cdfb168502.
  10. 日テレNEWS24. 体操・内村「東京五輪がなくなったら…」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/aa46e639840c8a5da3cc2f52b292c3e9ba59f345.
  11. スポーツ報知. 東京五輪まであと半年 7人制ラグビー黒木理帆「あると信じてやるしか」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/38355c45e626962a5e883e451bc8b1eb6c4161f8.
  12. —. https://news.yahoo.co.jp/articles/5a190a3fd1c92bbee481feb81e35d218ed809e45. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/5a190a3fd1c92bbee481feb81e35d218ed809e45.
  13. 時事通信. 東京五輪対応「協議まだ」 米報道官. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/387c11c0c619dbf875bfdffb71c25a455047e4bf.
  14. —. 台湾総統東京五輪実現して」 コロナ禍日本にメッセージ. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/4a0fa61e6b6d03d3ea94f31231a3ad1bf0d4053b.
  15. NEWSTBS. 中国冬季五輪組織委“東京五輪開催を期待”. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/fc372fbfc4c12c871b6133d91d14ba7582a681bc.
  16. スポニチ. カナダ&豪州 東京五輪に選手派遣へ カギ握る米国は静観姿勢. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/2626a432eb90222e76fc4339d7b06d0b391a6ff6.
  17. 中日スポーツ. 「ワクチンで安全と思う人は愚か」豪州は五輪選手団への優先接種はせず…感染防止規定厳守で対応も. (オンライン) 2021年1月24日. https://news.yahoo.co.jp/articles/f10788723c0e957b1b65e76a236c2503e211f6ac.
  18. 時事通信. 東京五輪、今夏開催に厳しい観測 「ワクチンなし」にも危機感―米国. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/4c0ac17bfad0cc8ab761f907481c92b1ec00d2e3.
  19. —. 東京五輪の代替大会検討 豪州水連. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/08a72e13a2d6cb5c3cbe2d4cfcf2538616a72410.
  20. デイリー. 山口二郎教授 東京五輪撤退表明は「不名誉ではない」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/e207033fe3566dd76439b7a1f8061ed2b766bf70.
  21. スポーツ報知. 青木理氏、東京五輪を「五輪やって総選挙なんていう計算も政権の中にはあるよう…」. (オンライン) 2021年1月24日. https://news.yahoo.co.jp/articles/dffae8a77d06618849ff8b694ab62e67ad31c1ed.
  22. —. 吉村洋文府知事、生放送で東京五輪は「中止になるぐらいだったら2024年に延期すると方向性を変えて」. (オンライン) 2024年1月24日. https://news.yahoo.co.jp/articles/88b3ac32862abcf6918964bbf165b3692a42bb85.
  23. デイリー. カンニング竹山 今夏の東京五輪中止を訴え「予算をコロナの補償に」. (オンライン) 2024年1月24日. https://news.yahoo.co.jp/articles/fe458f2b63e3e0224771f285c6da72b162ab0a4a.
  24. スポニチ. 舛添要一氏 参加選手減で東京五輪の価値低下を懸念「一流どころが来なくて本当に世界一だろうか?」. (オンライン) 2021年1月24日. https://news.yahoo.co.jp/articles/425954c6a1bd7809f72a3bf4d5a5e224f3ed03e9.
  25. 中日スポーツ. 「東京五輪出場全選手がワクチン接種できるよう優先割り当てを」IOCがWHOと協議 . (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/b9a0182a622b4c0190d06c5a0bcadc0f3008fb74.
  26. デイリー. 英紙「タイムズ」は東京五輪中止報道に自信 大会側は否定も「日本のジレンマ」. (オンライン) 2021年1月23日.
  27. 中央日報. IOC「東京五輪、参加選手全員にワクチン接種」. (オンライン) 2021年1月23日. https://news.yahoo.co.jp/articles/969d853fb7b6eaf223fce2ed2cfed6ddb6df3f49.

 

一律給付金の再給付をすべきではない理由

2度目の一律給付金?

一律給付金の再給付を巡ってSNS上で騒動が起きている。

「#二回目の現金給付を求めます」、「#再度の現金給付を求めます」といったタグが次々と出てきてはトレンド入り。しかし、麻生財務相の「再給付をするつもりはない」という発言に対し多くの怒りの声が挙がっている。

www.fnn.jp

この件について最初に個人的な見解を述べる。

正直、お金を貰えるのは嬉しい。しかしそれでも、一律給付金の再給付は「すべきではない」と考えている。その理由を3つ述べる。

理由①: 一律給付金がもたらす経済効果は薄い

そもそも一律給付金の再給付を求める殆どが「生活が苦しい」という理由からである。確かに生活困窮者が続出し、日本経済に大打撃をもたらしているのであれば、国民全員へお金を配るのも効果的かもしれない。

しかし実態は異なる。昨年春の10万円給付における効果を検証した記事がこちらになるが、記事の中で一律給付金がもたらした消費押し上げ効果をこう分析している。

style.nikkei.com

内閣府は4月、総額12.8兆円の給付金のうち約55%が消費に回り、7.1兆円の経済効果を生むと試算しました。一方、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストが6月までの政府統計から試算すると、消費の押し上げ効果は2割程度にとどまりました。三菱総合研究所が5000人を対象に給付金の使途を尋ねた調査でも、押し上げ効果は3割程度でした。

2人の専門家が消費押し上げ効果が2割~3割と分析している。すなわち国が配った12兆円ものお金のおよそ9兆円額が貯蓄に回されたことになる。当然、麻生財務大臣もこの結果を受け止めており、再給付はないと断言しているはずだ。

また、こちらの記事にも面白い記述がある。

www.jri.co.jp

一定の前提の下、緊急支援が必要だった人の総数は、643万人と試算される。就業者全体に占める割合では9.3%、国民全員に対する割合では5.1%にとどまっており、生活支援という意味では全員給付は過剰であったと言える。

つまり本当に支援が無いと生活ができないと感じている人は実に全体の一部に過ぎず、全国民へ10万円を給付する特段の理由はない。また当然ながら本当に生活が苦しい人へは10万円だけじゃ足りず、より手厚い支援が必要となるはずだ。

まとめると、全国民へ一律額の給付を行っても効果は薄く、より生活に苦しい人へ手厚い支援を行うべき、というのが私の見解である。政府も同じ考えであると信じている。

理由②:財源は大量の”借金”

SNS上でよく「税金は私たちが国へ預けているお金なのに何故返そうとしないのか」という怒りの声を見かける。そもそもの税金の在り方を理解していない点も見過ごし難いが、それ以上に財源について勘違いしている人が多い。一律給付金の財源は”税金”ではなく”国債”、即ち国の借金である。

news.yahoo.co.jp

昨年春の一律給付金ではのべ12兆円の財政支出が必要となり、その不足分は国債の増発により補われた。国民から徴収した税金は既に他の事に使用されており、それでもコロナ禍の経済対策として次々と国債が発行されている。日本の借金は膨らむばかりだ。

「現状、国債の大半を日本銀行が買い取っているのだから、国債をこのまま増発しても問題ないのではないか」という声もたまに聴く。経済については勉強中のためここでは詳細は割愛するが、色々調べてみても、専門家によって異なる見解が述べられており、現時点で明確な正解がない以上、政府が国債増発に躊躇するのも頷ける。今は日銀が国債購入額の上限を一時撤廃している状況だが、今後また上限が設定される可能性もあり、またデフレを脱却しインフレが加速化した際、国債の価値は下がり日銀を含め皆が国際を手放すことも想定される。その場合、国債の総額が多ければ多いほど、国民への影響も大きくなっていくかもしれない。

当然、日本経済が壊滅的状況とならないために対策を取る必要があるため、国債を財源とし予算を捻出すること自体は止むを得ない。しかし先ほども述べた通り、経済効果の薄い一律給付金の為に12兆円もの国債を追加発行することは現実的ではないだろう

理由③:人々の感染防止意識を削ぐ

年始に初めて緊急事態宣言の発令が現実味を帯びてきた時、「緊急事態宣言になったらまた給付金がもらえる!」という声をよく目にした。多分そこそこ生活にゆとりがあり、また緊急事態宣言になっても困らない人なのだろうが、そういった人達からしたら10万円の一律給付金はまさに「棚から牡丹餅」状態だろう。

これは個人的な見解だが、昨年春の10万円給付が、昨年秋から現在にかけての感染拡大を招いた1つの要因になっているのではないかと考えている。昨年秋、緩やかに陽性者が増えていく中、西村大臣は定期的に会見を開き、「緊急事態宣言を避けるよう頑張りましょう」と声をかけていた。しかしこの言葉に対しメディア含め多くの人が「いいから早く緊急事態宣言を出せ!」と、まるで緊急事態宣言発令を望んでいるかのような言いぐさだった。

緊急事態宣言は日本経済に大打撃を与える施策である。しかしそれを実感することがない人にとっては特に痛くも痒くもない。それどころか、もし国からタダでお金がもらえるとしたら、感染対策を頑張ろうという気が起きるわけがない。必死に政府が呼び掛けても彼らの心に響かないのは当然だと思える。所詮、コロナも日本経済も他人事なのだ。

もし再給付となれば、また同じことが繰り返されるはずだ。一旦感染が落ち着いても、他人事思考の人達は対策を怠り遊びまわり、また感染拡大を招いてしまう。そうならないためにも、「緊急事態宣言は感染抑制の一点の為だけに様々な物を犠牲にする」という事実を認識させなければならない。一律給付金の再給付が逆効果となる。

まとめ

一律給付金の再給付を反対する理由をまとめると、

①    財政支出額の割には経済効果が見込めない

②    国債増発により将来の日本経済へ影響を及ぼしかねない

③    コロナと日本経済について”他人事”と考える人が増出する

以上の3点である。

やはり本当に生活が苦しい人たちへ手厚い支援を行う方針が望ましい、と私は考えている。

「一律給付金がないと生活できない」という人たちは、まずは今手に持っているスマホSIMフリーに変えるか解約してからして、政府にお願いしたらどうだろうか?その方が現実的になるかもしれない。

改めて「8割おじさん」の感染者シミュレーションを考えてみる。

今のままだと4月に再宣言??

www3.nhk.or.jp

昨日のニュース。昨年春、「8割おじさん」という愛称で一躍有名人となった京都大学/西浦教授によるシミュレーション結果に関する記事が投稿された。緊急事態宣言解除の目安である東京都の感染者数500人を達成できたとしても、そのまま宣言を解除すると再び感染者数が爆発し、4月には再宣言を発令しなくてはならないという物。非常に緊張感の走る内容ではあるが、今日はこの西浦教授の提言内容について色々と考えていきたいと思う。

最初に話しておくが、私はどのような専門家も尊敬しているし、こういったシミュレーション結果は非常に価値あるものになると信じている。だからこそ、専門家の意見だからと鵜呑みにはせず、きちんと考察しなければならない。

「実効再生産数」を用いた感染者シミュレーション

初めに、昨年春の緊急事態宣言における「人との接触機会8割減」についておさらいしたいと思う。

www.nikkei.com

 西浦教授の専門は感染症数理モデルだ。彼は昨年春に政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に参画すると、真っ先に感染者数がどういった形で推移していくかのシミュレーション結果を示し、「人との接触を8割減らす」という目標を提言した。緊急事態宣言発令時に安倍総理が会見でこの8割という数値を語り、緊急事態宣言中は人との接触機会がどれだけ減っているかという数値が評価された。

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このシミュレーションで使用しているのが、今ではお馴染みとなった「実効再生産数」である。実効再生産数とは簡単に言うと1人辺りの感染者が何人に感染させるかを示す数値であり、感染者数は実効再生産数を基に指数関数的に推移していく。実効再生産数が1を越えれば感染者の数は増えていくが、実効再生産数が1を下回れば感染者数は減少していくこととなる。

西浦教授がこのグラフを打ち出した時、東京都の実効再生産数は約2.5であった。従って人との接触を4割減らしただけでは感染者数は減らず、短時間で感染者数を減らすためには人との接触機会を8割減らさないといけない、という結論に至った。

実際、人との接触機会8割減は守られたとは言えないが、この目標の影響力は大きく、人々はできる限り他の人と会う機会を減らし始めた。それがあって5月末には東京都の感染者数を落とし込むことに成功したのだと思う。

「春に再宣言の恐れ」の根拠

では今回のシミュレーション結果に移る。

今回も前回と同様、現在の感染者数を起点にいくつかの実効再生産数を置いて感染者数の推移を示している。具体的には下記の通り

・緊急事態宣言中に現在の飲食店中心の対応だと実効再生産数は0.88

・前回と同じ緊急事態宣言内容であれば実効再生産数は0.715

・緊急事態宣言解除される後の実効再生産数は1.1(昨年12月と同等くらい)

 

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上記の結果、今の飲食店中心の対応だけでは目標である感染者数500人以下を実現するのは2月下旬となり、さらにそこから感染者数が増えていくためまた4月には元の水準に戻ってしまう。なので、西浦教授は「昨年の緊急事態宣言と同じ制限内容とすべき」と主張している

 

しかし、自分にはどうしてもこのシミュレーション内容に納得のいかない点が2つある。 

① 実効再生産数の根拠が不明

一つ目は上述した0.88、0.715の根拠だ。様々な記事を拝読したが、何れもこれらの数値がどこから導出された物なのかが分からなかった。なぜ飲食店の時短営業だけで0.8までしか下がらないのに、4月と同じ制限内容とすると0.65まで下がるのか、この納得のいく説明がなされていない。

仮に4月の緊急事態宣言時のデータを基に算出していると仮定しても、今と昨年春とでは状況が大きく異なる。一番の違いはマスクの着用率で、昨年春はマスク不足によりマスクを着けず出歩く人が多かったことから、「感染者が〇人に会う = 〇人に感染させる」という構図は概ね正しかったと言える。しかし現在マスクも供給も滞りなく、出歩く人の殆どがマスクを着用している。マスクが完璧に感染を防ぐ訳ではないにしろ、人と接触するだけでは感染を拡げない状況ができている。従って、自然とマスクを外さないといけない飲食店以外の規制を強めた所で、実効再生産数が大きく減るのかが疑わしい。

西浦教授は数理モデルの専門家であるので、こういう状況下でどれくらいの人が出歩き、どれくらいの人が飲食店で飲食をするかといった行動モデルの見積りは難しいはずだ。どうやってこの数値に辿り着いたか、お尋ねできる機会があれば伺ってみたい。

② 解除後の実効再生産数が元通り

2つ目は緊急事態宣言解除後の実効再生産数を12月中旬と同じ1.1に設定していることである。そもそも実効再生産数1.1は感染を抑えることができない数値で、西浦教授は3月以降も引き続き感染者が自然と増えていくモデルを仮定している。

上述した通り、西浦教授は昨年の緊急事態宣言と同じ制限で感染者数を落としきるべきであると主張している。しかし、実効再生産数1.1だと、また7月に感染爆発が起きる。緊急事態宣言中の行動ではなく、緊急事態宣言後の行動の方がはるかに問題だ。

宣言解除後に徐々にすべて元通りではなく、徐々に経済活動を戻し、実効再生産数を継続して1未満としていくような仕組みが最重要課題である言え、政府も当然理解しているはずだ。そういった観点からも、宣言解除後に1を超える実効再生産数はパラメータとして厳しすぎると言わざるを得ない。また、ワクチン接種の開始や気温の上昇などを考えても、3月以降も実効再生産数1.1という状況は現実的ではないと思っている。

専門家の提言を鵜呑みにしてはいけない

昨日、テレビ朝日のモーニングショーでノーベル賞受賞者4人による感染防止対策の提言が行われていた。日ごろから政府のやることに信用できない人達は、日本を代表する知性者たちの提言に大いに沸いたことだろう。

しかし、専門家というのは何かに特化した人物を指す。こういった社会問題を取り扱う際、専門家の提言をそのまま鵜呑みにすることは極めて危険だ。

私はノーベル賞受賞者も、西浦教授のような研究者も、心から尊敬している。だからこそ、彼らの提言を形にするために、ありとあらゆる観点から検討し議論することが必要だ。今の日本のマスコミにはその姿勢が足りていないし、野党も「専門家の意見」をろくに検討もせずすぐ政治利用する。騙されないためにも、まずは自分の頭で考える癖をつけたいところだ。

 

なぜ「GoToで儲かった」と観光業界が批難されるのか?

城崎温泉の記事に寄せされた悪意に満ちたコメント

先日、有名な温泉街である城崎温泉に関する記事を読んだ。GoTo停止の延長が決まりキャンセルが続出。損失は20億円を越えるという事態に陥っている。

news.yahoo.co.jp

この現状についても色々と感じるところがある。が、問題はこの記事のヤフコメ。

GoToで儲かっているのだから今更文句言うな」
「苦しんでいるのはあなた達だけじゃない。甘えるな」
「インバウンドのバブルが崩壊しただけ」

あまりにも悪意に満ちたコメントだらけで思わず絶句。GoToトラベルと言う政府介入があったからか、どうやら観光業はだいぶ目の敵にされている様子に見えた。


GoTo
トラベルは日本経済のための施策

omotenashi.work

そもそも、未だにGoToトラベルが観光業界と旅行者だけに恩恵のある施策だと勘違いしている人が多い。が、GoToトラベルは日本経済の成長を促すのに非常に有効な手段である。

上記記事のように、食糧自給率が低く、資源の少ない日本にとって、観光業は唯一残された一筋の光である。関連する業界が多いため多くの雇用を産む効果が期待できるし、過疎化が進む地方経済の活性化にも繋がる。もはや観光業は間違いなく日本の重要な基幹事業の一つだ

そんな観光業界はコロナの影響で瀕死状態にあるのだから、政府が最初に観光業へ介入するのは当然だと言える。事実、GoToトラベルにより観光業は息を吹き返し、コロナ渦であるにも関わらず大きの観光客が訪れることとなった。観光客を受け入れるすべての方々が感染防止のために万全の準備をしてくれたため、地方での感染拡大は起きていない。色々な声が聞こえるが、私個人としてはGoToトラベルは非常に優れた施策であると評価している。

繰り返しになるが、GoToトラベルは旅行業界が儲かる施策ではない。日本経済を豊かにし、日本に住む全ての国民のための施策である。これを忘れてはいけない。


GoToトラベルの1カ月後再開を示唆する理由

www.jiji.com

GoToトラベルは現在全国で一時停止中だが、観光業界は緊急事態宣言が解除される予定の2/7GoToトラベルの再開を要望し、政府も応える方針であることが報じられた。この件についても批判が殺到しているが、とにかく「今の時点で何故1ヶ月にGoToトラベル再開について考えるのか?」という怒りの声が多い。

これについては推測でしかないが、GoTo再開を早めに示唆することで観光業界へ希望を与える目的があったのではないかと思う。実際、地方で飲食店を営んでいる友人から聞いた話だと、やはりGoToトラベル再開に希望を持っている同業者は多いようだ。感染が落ち着いたらまた観光客が戻ってくるのであれば今は耐えるしかない、と。

観光業界はとても辛い状況ではあると思うが、政府からの支援策を最大限に利用し、また笑顔で観光客を迎えて入れて頂きたいと切に願う。今我々ができることは、1ヶ月で緊急事態宣言が解除されよう個々の感染防止に努める他ない。


GoTo Eat
再開は慎重になるべき

www.bcnretail.com

最後に、GoToトラベルと似ているGo To Eatについても少し言及しておく。私としては、Go To Eat再開に関して政府はより慎重になるべき、と考えている。

そもそもGoTo Eatは消費押し上げ効果こそあるが、システム運用についてイマイチな点が多かった。鳥貴族錬金術の話もあったし、そもそも最初から四人単位に限定して運用を開始するべきだった。後からなら何とでも言えるが、最初から大人数での顧客にも適用したことで自分達の首を締めてしまった感は否ない。

GoTo Eatについても緊急事態宣言解除後に再開を目指すのは構わないが、当面は1人~2人に限定する、更に店にアクリル板やアルコール除菌が設置されている等、かなり限定する形で再開することが必要だと考えている。

ただ旅行という行為と異なり、複数人での飲食というとは感染リスクが高い行為であることは変わらない。感染者数によっては再開時期を遅らせたほうが妥当なようにも思う。政府にはGoToトラベル再開よりも慎重に慎重を重ねて検討して欲しい。